失語症者受け向け意思疎通支援者養成事業推進委員会 名古屋 千恵子
<失語症の支援、なぜ必要なの?>
介護保険の対象とならない若年者や身体介護を伴わない方へのリハビリは実は十分でなく継続したリハビリが受けられず社会復帰や社会参加をあきらめざるを得ない状況があります。地域で包括的な支援を受けられる体制を構築するために
言語聴覚士(ST)の協力や支援は不可欠です。
<失語症者向け意思疎通支援者事業とは・・・>
2013年に施行された障害者総合支援法を基に、社会保障審議会障害者部会によ
り「失語症など障害種別ごとの特性やニーズに配慮したきめ細やかな見直しを行
うべき」とされ、失語症者の社会参加を進める事業として厚生労働省から日本言
語聴覚士協会が委託され取り組んでいる事業のことです。
<目的>
失語症者の福祉向上を図るために専門性を生かし、人材(=支援者)を養成し
ます。
指導者:指導者は支援者へ、理解と熱意を持ってコミュニケーション手法などの指導を行う。
支援者: 支援者は多様なニーズや場面に応じた意思疎通支援を行えるよう、応用的な知識とコミュニケーション技術を習得し、併発の多い他の障害に関する知識や移動介助技術
を身につける。
<指導者と支援者の役割>
指導者:指導者(ST,患者様の家族や友の会の方など)が失語症者とコミュニケーションを取るための技術を身に付け、日常生活上の外出に同行したり、意思疎通支援のために必要な知識や技術を習得することができるように指導や支援を行う。
支援者:最終的に失語症者と1対1の会話を行い、買い物・役所の手続きなどの日常生活上の外出場面において意思疎通の支援を行う。(友の会やサロンでの会話支援、会議での要点筆記など)
<意思疎通支援事業のこれから…>
まだまだ指導者の養成が始まったばかりです。今後どのように進められるか、支援者の要請にSTがどう関わっていくことができるか、一般の県民の方に関心をもって頂けるような働きかけを…これから作り上げていかなくてはなりません。
◆一般の県民を対象に支援者養成研修会を開催する
◆HP等で活動について啓発する
失語症に関する正しい知識や適切な対応を知ってもらうことが大切です。失語症の方を取り巻く環境や生活支援を行えるように、県士会員の皆さんと協力しながら行いたいと思います。皆様のご協力をよろしくお願いします。