「災害対策部」
災害対策部 堂井 真理
甚大な被害となった2011年の東日本大震災…その時皆さんはどこでどのようにこの地震を体験しましたか?壊滅的被害であったこの震災はそれまでの想定を超え、被災状況の把握や支援活動が非常に難航しました。この事がきっかけとなり「迅速に・効率的に・効果的に」支援活動を行う体制整備が行われるようになりました。2013年2月に「東日本大震災リハビリテーション支援関連10団体」より各都道府県単位でチームを作り、震災の反省や教訓を活かした取り組みを行うよう要請がありました。新潟県は同年4月に新潟リハビリ研究会・新潟県理学療法士会・新潟県作業療法士会・新潟県言語聴覚士会・新潟県看護協会・新潟県介護支援専門員協会・新潟県社会福祉士会の7団体と県で構成される「新潟県災害リハビリテーション連絡協議会」を立ち上げ、県士会としても2014年1月に「災害支援対策委員会」を設置し、災害対応に関わる組織運営や支援体制の構築・連絡系統の整備に力を入れて団体との連携を進めてきました。(「新潟県災害リハビリテーション連絡協議会」は「JRAT新潟」と同義語です。)
≪災害直後の状況変化に対応した支援チーム作りを目指して≫
災害のフェーズ区分に合った活動を支援チームが連携して関わる必要性があります。新潟県災害リハビリテーション連絡協議会では,生活不活発病の予防と被災者の生活支援に関わる活動に取り組むことを掲げています。STは被災者の生活支援に関わる活動に携わっており,コミュニケーション活動・嚥下障害・口腔ケア支援などが求められます。
≪主な活動≫
① 会員の安否確認:県内発災時、県士会員の安否状況について一斉メールで確認。また災害対策委員より地域の状況について情報収集⇒日本言語聴覚士協会に報告。
② 連絡系統の整備:実際にどのような被害状況か情報収集⇒新潟県リハビリテーション専門職協議会での共有⇒新潟県災害リハビリテーション連絡協議会と検討。災害のない平常時より県内の他団体や他県と情報交換・連絡体制の検討を行い、いざという時に迅速に連携が取れるよう準備も行っている。
③ 支援体制の整備:県内の発災では、情報収集⇒必要な支援の確認⇒支援の調整を、他県での発災の場合には協力支援の有無の確認⇒派遣調整をし、必要時に必要な支援が行える体制を整備している。
④ 災害に関する意識の啓発・知識や情報の提供
「災害支援」は特別なことではありません。診療の中で実施しているリスク管理や感染予防対策と共通しているところが実は多くあります。また何が課題であるのか見極め、どう改善すると良いのかプランを立てて取り組むところは私達の日常の診療の範疇とも言えます。誰もが協力・連携できる状況を作る事が大切だと考えていますので、ぜひ関心をもって頂き、協力の支援の輪を拡げる活動にご協力下さい。